このたび、2021(令和3)年度の公益社団法人全国助産師教育協議会定時社員総会にて、本協議会会長に再任され、引き続き2021-2022年度の会長をお引き受けすることになりました。皆さまにおかれましては、これまで同様、ご指導を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
全国助産師教育協議会の前身は、1955(昭和30)年の厚生省(当時)と文部省(当時)主催による「助産婦学校長・養成所長会議」に遡ります。その後「全国助産婦学校長会議」として発展し、1965(昭和40)年に「全国助産婦教育協議会」が設立されました。以来、継続して助産師教育の向上と発展に努め、2010(平成22)年には公益社団法人として認定され、現在に至ります。
本協議会は「全国の助産師教育の向上と発展を図り、これにより女性・母子とその家族及び社会に貢献すること」を目的に、(1)助産師教育の質の向上・環境整備に関する事業、(2)助産師教育関係者のための研修事業、(3)助産師教育機関相互の協力及び国内外の関連団体の協力と連携等、様々な事業を展開しています。
さて、2019年末より新型コロナウィルス感染症が世界中で猛威をふるい、人々の生活を大きく揺るがしました。収束の兆しが見えたかと思うと新たな変異株が出現し、不確定な状況が続いています。
医療系専門職の教育現場ではICTを活用した遠隔授業が急速に整備され、ソーシャルディスタンスに配慮した少人数での対面演習や、臨地実習の制限に伴う学内シミュレーション教育の導入など、様々な教育の工夫や調整が求められています。
助産師教育においても、出産数の激減に伴う分娩介助例数の確保の課題に加え、非常事態における助産師教育体制の整備が喫緊の課題です。特に、分娩介助技術の修得に関する教育方法については転換期を迎えているといっても過言ではありません。
本協議会は、常に社会の動向をとらえながら、確かな知識と実践力を身に着けた助産師の育成を継続できるように、サスティナブルな教育体制づくりに取り組んでいきます。
2021年度の定時社員総会では、今後5年間を見据えて、以下に示す「助産師教育における将来ビジョン2021」が承認されました。
1. 助産師学生の実習前/卒業前の能力を担保する
2. 助産学担当教員の教育力の向上/保証、および臨地実習指導者の指導力の向上を図る
3. 助産師教育/助産学担当教員・臨地実習指導者研修の危機管理体制を構築する
4. すべての教育課程において、看護基礎教育に積み上げた修業年限2年の助産師教育を推進する
今後、本協議会は上記4つのビジョンの実現に向けて事業を展開していきます。皆さまにおかれましては、引き続き本協議会へのご協力をお願いいたします。